2022.07.20 犬のアトピー性皮膚炎 症状と治療について
アトピー性皮膚炎とはどんな病気?
アトピー性皮膚炎は、通常であれば問題のない物質に体が過敏反応を起こすアレルギー性の皮膚疾患です。
原因物質の多くは花粉やダニ、ハウスダストやカビといった環境中のもので、原因物質が増える季節になると症状が悪化する傾向にあります。
根本的な原因は皮膚のバリア機能が弱いなど、生まれ持った体質であるため、完全に直すことは難しく、生涯にわたりうまく付き合っていかなければなりません。
アトピー性皮膚炎の症状は?
症状は皮膚の痒みからはじまることがほとんどです。
特定の部分を噛む、舐める、掻きむしる、床や壁、家具に擦り付けるといった行動は、痒みのサイン。
掻き壊されて傷ついた皮膚はバリア機能が下がり、感染性の皮膚炎を併発しやすくなります。
また、掻いたり舐めたりすることで刺激を受けた皮膚が分厚くガサガサになったり、毛が抜けたり、滲み出た体液が瘡蓋のように固まることも。
症状がよく見られる部位は、脇の下、内腿、指の間、関節周りの皮膚で、初めての症状が見られるのが三歳以下の若い犬であることもこの病気の特徴です。
かゆみが生じる皮膚の病気はアトピー性皮膚炎なの?
痒みを伴う皮膚炎がすべてアトピー性皮膚炎なわけではありません。
同じアレルギー性の皮膚炎のなかには、ノミの寄生が原因のノミアレルギー性皮膚炎や、ダニの寄生が原因の疥癬、食事性のアレルギー性皮膚炎もあります。
また、膿皮症やマラセチア性皮膚炎など、単発的な皮膚疾患を起こしていることも。
ほかにも、天疱瘡という免疫系の病気や、悪性腫瘍が原因のこともあります。
目に見えた症状が皮膚のかゆみだとしても、その裏に、悪性腫瘍やホルモン系の病気が隠れていることもあるため注意が必要です。
病気には病気や動物の状態に適した治療法がありますので、必ず動物病院で獣医師の診断を受けましょう。
まとめ
犬アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返す治療の難しい病気です。
完治は難しいものの、うまく症状をコントロールすることで、犬にとっても飼い主にとっても幸せな生活を送ることができるでしょう。